22Lizardsの副将を務めました4年飯塚陽人です。
まず、日頃より我々名古屋大学男子ラクロス部をご支援してくださっている皆々様にこの場をお借りして心より感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
OFリーダーのこうきからバトンを受け取りました。彼ほどの努力家は名大、いや全国のラクロス部を探してもそう見つかるもんではないと思います。彼のことは本当に尊敬しています。しかし一つだけ、LINEで『一応』を『いちよう』と言ってくることだけはどうしても許すことができません。もしこの文章を読んでいるのであれば今すぐやめるようお願いしたいです。
そして、僕の次は我らがキャップ大越俊也です。彼の尊敬しているところは色々ありますが、一番は言葉で人を動かす力かなと思います。試合前のメッセージや試合後の挨拶など、よくもまああんなにすらすらと良い言葉が出てくるもんだなといつも感心してしまいます。悪用するのだけはほどほどにしておいてほしいものですが。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、そろそろ本題に入っていきたいと思います。何について書こうか迷いましたが、ラクロス部に入って得た教訓について2つくらい書いておこうかなと思います。しばしの間お付き合い願います。
「負け慣れたら終わり」
思えば自分のラクロス人生は、プレッシャーとか不安とか、もっと強い言葉で言えば恐怖とかそういったものが原動力の一つになっていたなと思う。
同期に置いていかれたくない。
試合で失敗したくない。
負けて期待外れのチームだと思われたくない。
挙げ始めたらキリがないくらいいろんな恐怖心にケツを叩かれてきた。
開き直ったら楽なんだろうなっていつも思う。負けたって、失敗したって、自分ってその程度の人間でしょって思えたら。
でも、そういう気持ちが湧いてきたときに、思い出すようにしている言葉がある。それが、「負け慣れたら終わり」。
昔、細見さんが覚えているかどうかもわからないくらいちらっと言っていた「負けに慣れたらダメだよな」って言葉が、なんかすごく自分の中で印象的に残っている。
たしか、自分より上手いって思う選手がいたとして、そいつより下手な自分に何も思わなくなったらそいつ以上には上手くなれないよなって話の流れだった気がする。
多分これは、相手が自分だった時も同じで、自主練サボってしまったっていう日に、「やばい、明日からは絶対サボらないようにしなきゃ」って気持ちがなくなったらそれ以上の努力はできなくなるんだろうと思う。
自分は、何も思わなくなる自分になるのが何より怖かったから、ここまでそれなりに努力して来れたんだと思う。
この「負け慣れたら終わり」という精神は、これからのLizardsを担うみんなにも持っていてほしいな、と思う。
これは別に失敗するなってことではなくて、何かうまくいかなかった時に本気で悔やんで、考えて、いつか絶対成功させるって気持ちで行動してほしいってこと。
もし仮に、今の自分じゃ絶対敵わんって選手が周りにいたら、そいつのことは今日からライバルだと思うようにしましょう。「こいつには敵わんからいいや」って思うか、「いつか絶対超えなければ」って思うかでその後の成長は約3倍変わってきます。最後そのライバルに勝つために、たくさん失敗してそれを成長につなげていってほしいです。
「仲間にはできるだけ期待する」
3年生になってチームでのポジションが確立するようになってからも、仲間に期待するのはすごく苦手だった。自分のことだけ考えていた方が楽だし、他人に期待して裏切られたときにイライラするのも嫌だったから。
一番の転機は膝がバキバキになって、しばらくラクロスができなくなった時だったと思う。
入院してから、とにかくいろんな人が「早く帰ってこい」ってメッセージをくれた。退院後のリーグ戦では、わざわざ一枠を使って、ケガをしてまだ出られない自分をベンチに入れてくれた。
なんで自分なんかのためにって思うくらい、期待をかけてもらった。
この人たちのために、絶対最後の試合までに間に合わせなければと思えたのはもちろんのこと、一人一人の1on1分析載っけたり、おすすめの筋トレまとめて下級生向けに展開したりと、プレーで貢献できない分何かチームに貢献する手段はないかと色々考えて動くこともできた。
期待されたときの人間はこんなに強いものかと思い知った。
だから、新チームになってからは、下級生に事あるごとに「期待してるよ」って声をかけるようにした。
実際どのくらい効果があったかは分からないけど、少しでも誰かの原動力の助けになってたらなと思う。
あの半年間は本当につらかったけど、一番人間的に成長出来て、絶対に自分に必要な期間だった。
ちょっと自分の話が長くなってしまったけど、伝えたいことは、要は「仲間に期待する」ことの大切さ。
もっともっと仲間に期待して、期待される組織であってほしい。もし仮に、期待通りにならないことがあったら、互いに要求して高めあってほしい。
本気で仲間に期待して要求しているやつは、その分自分にも妥協せず本気で向き合えていると思う。こうきなんか見ているとまさにそうだよね。
みんなが当たり前のように高いレベルで期待し合える組織は絶対に強くなる。俺はそう思う。
最後に一つ。
全学準決勝。慶應義塾大学に敗れ引退。
一年前と同じ舞台・同じ場所・同じ相手に奇しくも同じスコアで負けた。
Lizardsは今年もまた関東の壁、そして全学準決勝の壁を越えることが出来なかった。
けれど一つ確信していることがある。
それは、Lizardsは一歩一歩着実に学生日本一に近づいているということ。
たくさんの先輩方が創り上げてきたもの、そのおかげで今年も少しだけ前に進むことができた。
俺たちと同じようにやってほしいなんて、全く思ってない。
できるだけ多くのものを残すから、必要なものだけ残し、いらないものは捨てて、自分たちらしさのある強い組織を作っていってほしい。
これまで名大が30年積み上げてきたもの踏み台に、俺たちの何倍ものスピードで突き進んで行ってくれ。
お前たちならできる。
ずっと、期待して応援しています。
Lizardsが日本一になるその日まで。
BRIGHT
#81 LMF 飯塚陽人