自分の主将の軸は「部員のモチベーターになること」でした。主将は引退しましたが、今もまだこの想いは変わりません。後輩の胸に届き、モチベーションになれるような文章になれば幸いです。
伝えたいことの多くは最後のミーティングで話してしまったので何を書こうか迷いましたが、みんなで創りあげた理念の中でも特に好きな言葉である、
「誇れる自分に成り、誇れる枠を広ぐ」
について自分の経験を振り返りながら書いていこうと思います。
1.誇れる自分に成る
誇れる自分になるということは、自分自身を認めること、つまり自分に自信を持つことだと思う。
たくさんの面談を通じて、多くの部員の中に「失った自信を取り戻したい」という想いがあるのかなって感じた。
大学で新しいスポーツであるラクロスを始める。
この裏に隠された理由は大きく分けて2通りあるのかなと思う。
①今までのスポーツを”やりきった”からこそ、新しいスポーツにチャレンジしたい
②今までのスポーツを”やりきれなかった”からこそ新しいスポーツで0からやり直したい
自分自身、振り返って見ると②の理由でラクロスに挑戦したことに気付いた。(もちろん入部当初そんな深いことまで考えてなかったけど)
”甲子園で活躍したい”
幼い頃に感じた夢をいつしかどうせ自分には無理だと諦め、口では「甲子園出場が目標です」なんて言いながら、それに見合う努力なんて何もしてなかった。勝手に自分の限界を決めつけ、「あいつは才能あるから」と自分ができないことを正当化した。
そんな弱くてださい自分を変えたくて
大学から始めても「日本代表になれる」「学生日本一なれる」ことを謳うラクロス部に惹かれ、0からスポーツをやり直すことで誇れる自分を取り戻したかったんだと思う。
そんな子が多いと思ったからこそ、「成る」って言葉を選んだ。
今、自分に自信を持てていなくてもいい。この部活を通じて自信を持てるように成長していける。
そんなチームであってほしい。
では、自信を持つためにはどうすればいいのか。
自分が自信を持てるようになった1つのきっかけは、2年前の東海Final4 vs南山戦での得点。
ずっと自分がAチームにいていいのか凄く不安だった。余計なミスをたくさんするし、あんまり結果を残せないし。
ただ、あのゴールを通じて我慢して使ってくれたとしきさんやたかあきさんに少し恩返しができ、自分が貢献できたという実感で湧いて、自信に繋がった。
もがいて苦しんで。だからこそ得られる最高に気持ち良い瞬間はきっと大きな自信に繋がる。
今成果が出なくてどんなに苦しくても、もがけ。諦めなかったらきっといつかお釣りが返ってくるくらい最高の瞬間が待っているはず。
2.誇れる枠を広ぐ
枠っていうのは周囲の環境。
自信っていうのは周囲の環境に依存するものなんじゃないかって思う。
例えば、どれだけ大学の授業で落ちこぼれたとしても、小学生に混じって授業に参加したら自信満々に答えられるでしょ?笑
つまり、この言葉で伝えたいのは、自分が自信を持てる環境をどんどん広げる挑戦をしていこうということ。
これに関する自分の過去の経験を書こうと思う。
2年前の全学準決勝 vs早稲田戦。4年間で最大の挫折経験。
自分はとしきさんに主力として期待され、そこそこの自信を持ってこの試合に臨んだ。少しは通用するんじゃないかと自分自身に期待していた。
終わってみれば、3-16
惨敗した。
自分が自信を持っていたのは、”名大”という枠の中でしかなかった。
”学生日本一”を目指す枠で見たとき、自分の「自信」は「過信」でしかなかった。
それまで「学生日本一を目指している」と口では言っていたが、自分の行動は学生日本一を目指している者のそれではなく、”名大”という枠の中で「慢心」し、枠を飛び出ていく努力を怠っていたことを自覚した。
あの日以来、枠を広げる努力を始めた。
関東の試合を見まくり、レベル感を目に焼き付けた。
負けて当然だと思っていた社会人チームを超えるべき相手だと認識した。
関東に武者に行ったり、ユースのアメリカ遠征に参加したりすることで、枠を超えて多くのことを吸収しようとした。
ここら辺は身近に青木がいたことは心強かった。あいつの枠を広げる姿勢は本当に尊敬する。
是非、後輩のみんなにはたくさん挑戦していってほしい。
でもさ、「挑戦しよう」「変化を起こそう」って言うのはカンタンだけど、
やるのは難しいよね。だって、失敗は恐いもん。
人間は基本的に弱くて、コンフォートゾーンを抜け出そうとはしないもの。自分に自信が持てて、居心地の良い、楽な環境に留まろうとしてしまう。
名大はみんな賢くて、良くも悪くも失敗するリスクを考えることができる。だからこそ、一歩を踏み出すことに躊躇してしまうかもしれない。
そんな人に向けて、参考までに自分が大事にしている考え方を伝える。
「今の場所に留まり、変化を求めないリスクを考える。」
今、自分にできるプレーばかりをして、毎日ちょっとずつ成功したらそりゃ気持ちいい。でも、そのままではいつか大きな失敗をしてしまうだろう。
だったら、明日からちょっとずつ失敗して、いつか大きな成功をしよう。
今のまま普通にやってたって、関東には勝てない。失敗を恐れて一歩を踏み出さないことは、長期的に見たらそれこそがリスクだと思う。
そう思えたら、新しいことに挑戦してボールダウンすることや、武者に参加してちょっと恥ずかしい思いをすることなんて、大したリスクじゃない。
本当のリスクを見極めて、枠を広げる努力をしていってください。
今、Fで誇れる自分であるなら、Aでも誇れるように成ろう。
今、Aでも誇れる自分であるなら、関東でも誇れるように成ろう。
かなりプレーヤー目線で書いてしまったけど、これはもちろんスタッフにも同じことが言えると思う。
理念は方向性を示すものだ。「達成」なんてものはなく、永遠に追求し続けることができる。どんな枠であっても「誇れる自分」でいれるように、成長し続けていってほしい。
これらはつまり、「謙虚さ」と「自信」の両方を追求していくことだと思う。
部員全員が今の環境に「慢心」することなく謙虚になり、向上心を持って取り組めるチームであれば、自ずと結果はついてくると思う。
一年後、「過信」ではなく、真の「自信」を持って関東に挑み、「学生日本一」を達成するLIZARDSを楽しみにしています。
やってやれ。お前らならできる。
最後になりましたが、
留年すら受け入れて最後まで支援してくれた両親
「困ったことはないか」と常に手を差し伸べて下さったOBの皆様
大きな熱量で、いつも身近で我々を支えて下さったコーチ
たくさんの技術や経験をもたらして下さった先輩方
めちゃくちゃ慕ってくれて、たくさんのエネルギーをくれた後輩
あほな同期
多くの人に支えられ、与えられ、紛れもなく今までの人生で最も充実した4年間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。
終わろうと思いましたが、最後の最後に、一緒に幹部をやってくれたみんなにだけ、この場を借りてお礼を言わせてください。
青木が隣でずっと頑張るから、おれは頑張ることを辞められなかった。ずっと一緒にOFを作ってこれて本当に楽しかった。一番尊敬してる。ありがとう
ゆっぴーはほんま人間として終わってるけど、なぜか魅力的で。人生で初めてできた親友というやつな気がする。何かをしてもらった記憶は特にないけど、存在に助けられた、たぶん笑 ありがとう
りかことゆずかは対応力が高くて、変化の激しい環境でも臨機応変に対処してくれた。
人数制限でグラウンドに来れるスタッフが少なくみんなのモチベを保つのも大変だったと思う。スタッフのみんなを率いてくれてありがとう
たかつがいなきゃ、今年の組織は終わっていた。数人に渋がられながらも、たかつを副将に指名した一年前の俺とゆぴの判断は絶対に正解だった。本当に、たかつが副将で良かった。ありがとう
この1年、大変な1年ではあったけど、本当にめちゃくちゃ楽しかった。
みんな、支えてくれてありがとう
20LIZARDS 主将 細見奎輔